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Proposal(提言)

「ソーシャルMBA」とは何か?
〜これからの時代に求められる人材ビジョンとしての、新たなMBA(経営学修士)の在り方

By Yuichi Igarashi

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「ソーシャルMBA」とは、YOU.labがこれからの時代に求められる人材ビジョンとして提唱する、新たなMBA(経営学修士)の在り方、存在意義を示す言葉です。
その定義は、以下の通りです。

コミュニティの課題を解決する大きなビジョンを描き、その実現に向けて「小さなゆらぎ」 を起こし、「自己組織化のプロセス」を促す。そのための方策として、主に実践知としての 経営学的手法を用いて行動する。

次に、「ソーシャルMBA」の役割・存在意義の概要を述べます。

「ソーシャルMBA」の役割とは、大なり小なりのコミュニティ・社会への貢献です。
現代は社会の複雑性や相互依存性が高まっています。例えば、一時的に個人として平穏な暮らしを築けたとしても、社会が不安定になり犯罪が多発すれば自らが犠牲者となってしま う可能性が高まります。

特にこれからは、「人類を守れなければ、自分も家族も守れない」という時代にになっていきます。
そのような時代おけるMBAは、企業における部分最適の利益の追求だけではなく、自らが学んだ知見をコミュニティの課題解決のために活かすという全体最適の解を求める姿勢を持つべきです。

そして、「ソーシャルMBA」は、その全体最適の視点から大きなビジョンを描いていきます。
そのためには、要素還元主義の問題解決思考ではなく、コミュニティ全体を複雑な生命体として捉えるホリスティックな思考スタイルを持たなければなりません。

次に重要なのは、ビジョンを描くだけでなく、目の前の現実を変えるために行動することです。その行動とは「小さなゆらぎ」を起こすことです。

「ゆらぎ」とは複雑系の科学の文脈で語られるキーワードです。「ゆらぎ」とは、よく知られている「バタフライ効果」と呼ばれる現象を呼び起こすような、マクロの変動を促すミクロの変化ととして定義しています。
「バタフライ効果」は「北京で蝶が羽ばたくと、ブラジルでハリケーンが発生する」というようなメタファーで言い表されます。
つまり、社会という「複雑系」においては、例え 小さな行動であっても、様々な要因が複雑に絡み合った自然発生的な「自己組織化」と呼ばれるプロセスを動かすきっかけとなり、予測できない大きな動きを派生させる可能性を示唆しているのです。

「ソーシャルMBA」は、大きなビジョンを描きながらも誇大妄想に陥るのではなく、身の丈にあった「小さなゆらぎ」となる行動を戦略的に起こしていきます。
そして、行動を起こすために、経営学的な知識体系と自らのビジネスにおける実務経験を統合した「実践知」を、手法として活用します。

YOU.labは、そのような「ソーシャルMBA」が増えていくことが、社会的課題の解決を加速させると考えています。